この季節に聴く『さよなら夏の日』もいいけどこんな隠れた名曲あるのです。
カンカン照り真夏の昼下がり、クーラーのきいた街角のファーストフード店、ランチを摂るわけでもなく物思いにふける...。
ここまで情景描写が多い曲って普通野暮ったくなるんだけどな〜。
オケもほぼエレピだけっていうシンプルさも夏の暑苦しさから相反してして心の寒さが伝わります。
自分サラリーマン経験も営業マン経験もないんだけどこの主人公の気持ちが伝わってきます。達郎さんだって経験ないのにこんなリアリティーにどうして書けるのか不思議...。
最後から4行目に『僕』ではなく『君』ってしたことにリアリティーが隠されているのでしょうか。
そして終始挫折感ではなく最後にはちゃんとポジティヴになっているからどんよりしない。ひとかけらでも希望がちょっと見える。
〜セールスマンズ・ロンリネス/山下達郎〜
ハンバーガー・ショップ
小さな二人掛けのシートで
ぼんやりと外をながめてる
道の向こう側の
きらびやかなビルボード
名も知らぬ誰かが笑ってる
この街はどうして
心を弄び
切なさや脆さは
甘えにしか見えない
夏のさみしさ
バラ色の未来は
ここには来ないかも
この街を行き交う誰ひとりも
幸せそうには見えないもの…
だけどあきらめるには
まだ早過ぎるだろ
ほほえみのひとつも持てなくて
冷めたコーヒーの中で
汗をにじませて
燃え立つ午後が叫んでる
君は立ち上がり
ドアを押し開けて
歩き出す
真夏の絵の中へ