今日パルコ調布キネマへ黒澤映画の『羅生門』を観に行きました。
何度かレンタルビデオとかで観ているのですが、あらためて時代を超えた素晴らしさを感じました。
あっという間の90分でしたね〜。デジタルリマスターだったので画像もキレイでしたし。
この映画のすばらしいところはまずは脚本。
芥川龍之介の『羅生門』の物語に別の小説『薮の中』を取り込んでます。
エゴイズムと人間不信を上手く表していて、ラストシーンまで心の置き場がないというか、どこを基準にすればいいのかわからないという他に例のない独特で不安定な心情が出てきます。
まだあどけなさの残る京マチ子さん、三船敏郎さん。志村喬さん、目力ものすごいです!『目は口ほどにものを言う』ってことわざはこの人たちのためにあるのかなって思えるくらい。
この目力を最大限に発揮させているのが照明。陰と陽のコントラストがいいですね。
音楽は早坂文雄さん。日本人として誇れる大作曲家だと思います。西洋かぶれしてないのが尊敬します。実はお孫さんがうちのギター教室通ってます。
話は変わりますが、
『薮の中』といえば足利事件。真犯人はいったいどこで何をしているのでしょう。全くの別人がえん罪にかかって17年も拘留されていて平気でいられるものなんでしょうかね〜。